こんな経験ありませんか???

 ・「週2回ジムに通っているのに、なかなか体重が落ちない…」

 ・「夜は炭水化物を控えているのに痩せない…」

 ・「毎日歩いているし、以前より食べる量も減らしているけど、それでも体型が変わらない…」


ダイエットを始めると、どうしても

「何を食べれば痩せる?」

「どんなトレーニングが一番効く?」という部分に目が向きます。


もちろん、

食事の内容も大切です。

運動の継続も大切です。


しかし、その前に知っておきたい基本があります。

それが、 アンダーカロリーです。


ダイエットを成功させるためには、

食べないことではなく、

適切なアンダーカロリーを作り、

それを無理なく継続することが重要になります。


この記事では、パーソナルトレーナーの視点に加えて、

身体・運動の専門職である理学療法士監修のもと、

アンダーカロリーについて科学的な知見を交えながら分かりやすく解説します。


そもそも「アンダーカロリー」とは?

アンダーカロリーとは簡単にいうと、 「摂取カロリー < 消費カロリー」 になっている状態です。


例)1日に身体が消費するエネルギーが2,000kcalだった場合

 その日に食事から摂取したエネルギーが1,800kcal

 2,000 − 1,800 = 200kcal

 約200kcalのエネルギー不足が生まれます。

 身体は不足したエネルギーを補うため、体内に蓄えているエネルギーを利用します。

 この状態を一定期間作っていくことが、体重・体脂肪を減らしていく基本になります。


つまり、「この食材を食べれば痩せる」という魔法の食品があるわけではありません。

どれだけ「健康に良い」とされる食品を選んでいても、

長期的に摂取エネルギーが消費エネルギーを大きく上回っていれば、減量は難しくなります。

逆に言えば、

ダイエットを考えるうえで、アンダーカロリーは避けて通れない基本原則です。


「じゃあ、とにかく食べなければいい」は大きな間違い!

ここで注意したいポイントがあります。

アンダーカロリーが必要なら、「食べる量を一気に減らせば早く痩せるのでは?」 と思うかもしれません。

しかし、これはおすすめできません☠


体重を落とすことだけを目的にするのであれば、極端な食事制限でも数字は減る可能性があります。

問題は、「何が減ったのか?」です。

私たちがダイエットで本当に減らしたいのは、基本的には余分な体脂肪です。

ところが、大きすぎるアンダーカロリーを長期間続けると、

脂肪だけではなく筋肉などの除脂肪組織まで失う可能性があります。


★エネルギー不足と筋力トレーニングについて調べたメタ解析★

エネルギー不足の状態では、エネルギー不足のない状態と比較して除脂肪量の増加が妨げられることが報告されています。

さらに同研究では、約500kcal/日のエネルギー不足が筋肉量の増加を妨げる水準として示されており、

減量中に筋肉を維持したい場合は、長期間にわたる過度なエネルギー不足を避けることが推奨されています。


だからこそ、「アンダーカロリー=食べない」ではありません。

目指したいのは、「脂肪を減らしながら、できるだけ筋肉を守るアンダーカロリー」 です。


パーソナルトレーニングがダイエットと相性が良い理由…ここで重要になるのが筋力トレーニングです。

「痩せたいなら有酸素運動じゃないの?」 と思う人もいるでしょう。

もちろん、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動もエネルギー消費を増やす方法として有効です。

しかし、減量中に忘れてはいけないのが、 「筋肉をできるだけ維持する」 という視点です。


近年の研究でも、

エネルギー制限に運動を組み合わせること、特に筋力トレーニングを活用することは、

減量中の体組成を考えるうえで重要であることが示されています。

つまり、

食事 → 適切なアンダーカロリーを作る & トレーニング → 筋肉を維持する刺激を入れる

この2つを組み合わせることが重要です。


体重計に表示される「−5kg」だけを見るのではなく、「何を減らして、何を残したのか?」まで考える。

これが、パーソナルトレーニングで身体づくりを考える大きなメリットの一つです。


「運動しているのに痩せない…」には理由があります。

パーソナルトレーニングをしていると、「運動しているのに全然痩せません」 という相談を受けることがあります。

ここで覚えておいてほしいのが、「運動している=必ずアンダーカロリーになる」わけではないということです。

 

例)トレーニングを頑張ったからご褒美にスイーツを食べる

  運動した日はお腹が空いて夕食の量が増える

  健康のためにナッツやオリーブオイルを積極的に摂る

  プロテインを普段の食事にそのまま追加する


どれも、それ自体が悪いわけではありません。

しかし積み重なることで、本人が思っている以上に摂取カロリーが増えているケースがあります。

「今日は運動したから大丈夫」という安心感が、

実は無意識の摂取量増加につながっていることもあります。

だからパーソナルトレーナーは、単純に「スクワットを10回やりましょう‼」と指導するだけでは不十分です。

食事、活動量、睡眠、生活リズム、仕事、ストレスなども含め、

「その人が無理なくアンダーカロリーを作れる生活」を一緒に考えることが大切になります。


アンダーカロリーを作る方法は「食事を減らす」だけではない…ここは非常に重要です。

アンダーカロリーを作る方法は、大きく考えると2つあります。

 ① 摂取するエネルギーを調整する

 ② 消費するエネルギーを増やす


例)毎日の食事を極端に500kcal減らすのではなく、 食事を少し調整する

  歩く時間を少し増やす

  階段を使う

  筋力トレーニングをする

  休日にも身体を動かす


こうした方法を組み合わせることもできます。

「食べないことで痩せる」のではなく、「食事と活動量の両方を整える」という考え方です。

これなら、食事だけを極端に削る方法よりも生活に取り入れやすくなります。


実は「食べる内容」も重要!

アンダーカロリーなら何を食べても同じ…というわけでもありません。

特にトレーニングをしながら減量する場合、意識したい栄養素の一つがタンパク質です。

タンパク質は筋肉をはじめとした身体の組織を作る重要な材料になります。

エネルギー制限中は筋肉を維持するという観点からも、

十分なタンパク質を確保しながら筋力トレーニングを行うことが重要です。

一方で、「タンパク質が大事だから、とにかくプロテインを飲めばいい」という考えにも注意が必要です。

プロテインにも当然カロリーがあります。

普段の食事に追加して摂取量だけが増えれば、アンダーカロリーではなくなる可能性があります。

大切なのは、「何を追加するか」ではなく、「食事全体をどう組み立てるか」という視点です。


 ここまで読んで、「毎日カロリー計算しないといけないの?」と思った方もいるかもしれません。

必ずしも、1日単位で完璧に管理する必要はありません。

体重や体脂肪の変化は、1回の食事だけで決まるものではなく、一定期間のエネルギーバランスの積み重ねとして考えることが重要です。

昨日食べすぎたから、「ダイエット失敗だ…」 と諦める必要はありません。

翌日から普段の食事に戻せばいいです。

大切なのは、 100点の生活を3日間続けることより、70〜80点の生活を長く続けること。


★2024年に発表された47件のランダム化比較試験・3,363人を対象としたネットワークメタ解析★

継続的なエネルギー制限、時間制限食、隔日断食など複数の方法で体重減少が認められています。

つまり、「この方法だけが唯一の正解」というより、

自分が続けられる方法でエネルギー摂取を管理できるかが非常に重要なのです。


パーソナルトレーナーの役割は「痩せさせること」だけではありません。

パーソナルトレーニングというと、「追い込んでくれる人」というイメージを持っている方もいるかもしれません。

しかし、本来の役割はそれだけではありません。

その人の身体、運動経験、仕事、生活習慣、目標などを確認しながら、

「どうすれば、この人が続けられるのか?」 を一緒に考えることも重要な仕事です。


 毎日摂取カロリーを1,500kcalにしてください

毎日10,000歩歩いてください

週4回トレーニングしてください

…と言われても、

仕事や家庭の事情によっては実行できない人もいます。

大切なのは理想論ではなく、「今の生活の中で、何なら変えられるか?」です。


週2回トレーニングする

夕食の量を少し見直す

ジュースを水やお茶に変える

休日に30分歩く

…まずは、その程度でもいいのです。

小さな変化を積み重ね、その結果として適度なアンダーカロリーを作っていく。

そして身体の変化を確認しながら、必要に応じて食事や運動量を調整する。

これこそが、長期的な身体づくりでは非常に重要になります。


★まとめ★

「痩せる」より「続けられる身体づくり」を ダイエットの基本となる考え方の一つが、

「摂取カロリー < 消費カロリー」 つまりアンダーカロリーです。

ただし、 「アンダーカロリー=とにかく食べない」 ではありません。

極端な食事制限ではなく、

適切な食事 × 筋力トレーニング × 日常の活動量 を組み合わせながら、

無理のないエネルギー不足を作っていくことが大切です。

そして、体重だけではなく、「脂肪を減らしながら筋肉をできるだけ守る」という視点を持ってみてください。

もし今、「頑張っているのに痩せない」と感じているなら、

努力が足りないと決めつける前に、一度だけ確認してみてください。

あなたの生活は、本当にアンダーカロリーになっていますか?

ダイエットは、自分を追い込むことではありません。

身体の仕組みを理解して、自分の生活に合った方法を見つけること。

その積み重ねが、無理なく続けられる身体づくりにつながっていきます。


参考文献

・Murphy C, Koehler K. Energy deficiency impairs resistance training gains in lean mass but not strength: A meta-analysis and meta-regression. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports. 2022;32(1):125-137. doi:10.1111/sms.14075.

・Huang J, et al. Comparing caloric restriction regimens for effective weight management in adults: a systematic review and network meta-analysis. International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity. 2024;21:108.

・Ho J, et al. The effects of dietary macronutrient composition on resting energy expenditure following active weight loss: A systematic review and meta-analysis. Obesity Reviews. 2024.

・Murphy CH, et al. The Role of Dietary Protein in Body Weight Regulation among Active-Duty Military Personnel during Energy Deficit: A Systematic Review. 2023.

・Morton RW, et al. A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. British Journal of Sports Medicine. 2018;52:376-384.


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